Dr.すてふの備忘録@岐阜

旅と、競馬と、時々医学。

【COVID19特集2】新型コロナウイルスは段ボールがお好き!?

こんにちは、stayFoolish@研修医です。

 

今日は暑かったですね。

僕の住んでいる岐阜でも開花宣言がされたそうで。5日も平年より早いらしい。

 

へ、平年!?気象予報士の血が騒ぐぜ(嘘)

 

こんな僕も気象予報士を目指していた時期がありました。

2回受けましたが、5割いかないくらいの出来であっけなく断念、、、

7割で合格だったと思います(笑)

 

独学ではちょっと限界があるのと、モチベーションが続かなかったのと、大学の試験が忙しかったのと、、

 

言い訳ばかりやーー

 

平年とは過去30年の平均値です。

10年ごとに更新されるので、今年2020年は更新ですね!

 

今回もNEJMで面白い記事を見つけたのでそれを中心にボソボソ

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2004973?query=featured_home

 

N van Doremalen, et al

Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared with SARS-CoV-1

March 17, 2020, NEJM

 

趣旨は

2003年のSever Acute Respiratory Syndrome (SARS)の原因であるSARS-CoV-1と今回のSARS-CoV-2の飛沫感染力、接触感染力を比較してみました!

 

結論は

SARS-CoV-2のほうがCov-1より段ボールに滞在時間が長かったこと。(バラツキが大きく解釈に注意が必要だが)

・飛沫(しぶき)での滞在時間は変わらず。半減期は1.1-1.2時間ほど。

CoV-1、CoV-2ともにステンレス鋼とプラスチックに親和性が高い。5.6時間と6.8時間。

 

結局はCoV-1とCoV-2で飛沫感染接触感染共に大差なしと言えそうな結果です。

段ボールだけは違いましたが、、

 

Amazonを中心とした宅配サービスの普及が感染拡大に寄与したんですかね。

あまりにも短絡的すぎますが、

だとしたら段ボールを扱う配送業者にこそマスクが必要ですね。

 

驚いたのが

1日にわたりウイルスがものにひっついていることです。

今回は、銅、段ボール、ステンレス鋼、プラスチックに関してでした。

 

高頻度接触面は、日常生活で多く潜んでいます。

ドアノブ、エスカレーターの手すり、カラオケマイク、つり革などなど

適当に思いついたやつですが、

 

そこを本気で消毒しようともウイルスやら何やらはしつこいってことですね。

重要なのは、自らの手洗いを充実させること!これに尽きますのだ。

 

あとは日ごろから愛用させていただいているYoutubeからCOVID19関連をチクチク

www.youtube.com

Osmosisというチャンネルで、

日常の勉強ツールとして医学生時代から見てるオススメのやつです。

 

簡潔に視覚的にまとまっていて、わかりやすい英語で話してくれるので

医学英語学習にもピッタリなのです!

 

今回の動画の最重要ポイントは2点。

・流行曲線のピークを抑え、平坦化させること。

・医療供給体制を整えること。

 

医療資源には限りがあるので、適切に対処しないと医療崩壊を起こしかねません。

濃厚なしぶきが飛び交うようなイベントを自粛、個人個人の手洗いの励行を促すことで、流行曲線を平坦化させることができます。

また、不必要な医療機関へのアクセスを避けるためのシステム作りや適切なトリアージを行うことで医療供給体制を整えることができます。

 

www.youtube.com

医療従事者向けの検査、特に画像に焦点を当てたOsmosisです。

 

驚いたのが

RT-PCRの感度が95%まで向上したことです。

この検査精度なら除外目的にPCRを乱用する意義も見いだせるレベルだと思います。

 

もちろんCTは診断には使えず、今まで通り症例を絞って使っていきましょうと。

 

 

以下の動画は、ホリエモンチャンネルでいつも観させてもらってます。

米国国立衛生研究所(NIH)の研究員、峰先生とホリエモンの対談です。

対談というか、一般代表のホリエモンが専門家の峰先生に質問しているといった形式です。

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

非常に面白く聞かせて頂きました。

二人とも話がさくさく進んで聞きやすい聞きやすい。

 

社会的許容、インフォデミックの話題が上がっていました。

ここまでズバッといってて驚嘆の一言です。こんな情報をみんなが聞いてほしかった、てか自分も知りたかったし、周りに伝えたかった、、、

 

現在のCOVID19の感染拡大状況をどこまで許容できるかが

これからの経済へのダメージを最小限にして立ち直れるかどうかのカギとなります。

 

ホリエモンも言ってましたが

スマホの大衆化によって、SNSで責任なく一般市民を煽るような情報が流れ

それによって今までにない状況が作り出されました。

 

いわゆるパニック状態です。実際の感染以上にパニックの方が世間を賑わしていた印象があります。

 

まずやらなければいけないことは正しく情報を集めることです。

僕は医療従事者として、正しく情報を収集して自分なりにできる限りの情報発信をしないといけないような使命感が芽生えました。

 

芽生えました、です。

感染症の先生をはじめ、1次情報を的確に読み、発信している先生方多くいます。本当に素晴らしく畏敬の念を抱くばかりです。

 

その情報を理解し、次の世代に起こりうるパンデミックの際に、自分が率先して情報発信できるようになりたいと思いました。

 

全くの力不足です。スタートラインにも立てていません。

とりあえずは日々学んだことをまとめていきたいと思います。

 

今日は真面目な感じになりましたね(笑)

明日は阪神大賞典スプリングステークスがあります!

楽しみ楽しみ、個人的にユーキャンスマイルという馬が好きなので応援したいと思います。けど、パドック次第ですかね。

 

またまた

【本業の医学】【COVID19特集1】NEJM:重症COVID19に対するHIV治療薬の有効性:RCT

こんにちは、stayFoolish@研修医です。

 

冬着はもう暑い季節になりました。

そう、開花宣言したみたいですね。4月には散ってそうだなー。

まあ、花見会はさすがにコロナさんの影響でできないでしょうな。

 

コロナによる国際情勢の行く先はよくわからないことになっていますが、

季節だけはいたずらに過ぎ去っていくようです。

 

今回はNew England Journal of Medicine(NEJM)なるものを読んでみます。

医学界では最も権威ある雑誌になります。

 

ファッション雑誌界の「with」

NBAの「ステフィン・カリー」

競馬界の「クリストフ・ルメール

 

医学界の「NEJM」

みたいな関係ですね(笑)

 

NEJMは、アプリでweekly surmaryなるものを配信しています。

週一回、木曜日に25分くらいのpodcastですかね。

とりあえず、これ聞いとけば遅れないな、と思って。

 

COVID19で気になったことあれば、やってきましょうかね。

さあさあ、内容でございます。

 

 A Trial of Lopinavir-Ritonavir in adults Hospitalized with Severe Covid-19;

Bin cao, M.D, et al; March 18, 2020, NEJM

 

http://https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2001282?query=featured_home

論文背景

SARS-CoV-2によるウイルス感染症COVID19におけるHIV治療薬(ロピナビル・リトナビル)の有効性は明らかではない。

ので、今回重症例に限ってやってみました、とのこと。

 

きっかけは、2003年SARSにおいて同薬が重症化予防、具体的にはAcute Respiratory Distress Syndromeや死亡、に効果が見られたから。

 

MERSのときは、症例不足もあり、結局よくわからんかった。

 

LOTUS Chinaとトライアルが名付けられた模様。

 

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僕の大好きなコーヒーのお供でございます。

ちなみにLOTUSは日本語で蓮。

また、ギリシャ神話で出てくるよう。

 

現世を忘れ夢心地になれると言われる実をつける植物だそうで。

たしかに、疲れた時の現実逃避の味がするお菓子です。オイシーノヨホンマニ

 

*ロピナビル・リトナビル(カトレア®):プロテアーゼ阻害薬

方法

・open-label RCT。

武漢のJin Yin Tan Hospitalにて。

・参加基準は以下全てを満たす。

1. 18歳以上の男女(妊婦除く)

2. PCR陽性で胸部CTで肺炎像がある。

3. SaO2が94%未満、もしくはP/F 300未満。

・ロピナビル・リトナビル群(400 mg/day)と通常ケア群に無作為割付。

・14日間。

・Intention to treatment解析。

 

Primary Endpointは、臨床的な改善に至るまでの時間。

Secondaryとしては、28日の死亡率。

 

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open label RCTとは、介入群と非介入群の各々が受けている治療を知っているということ。

 

まとめると、

HIV治療薬で改善するかどうかがみたいということですな

それを改善に要する時間で比較しようと

 

死亡率が高くないから、死亡率の差を比べるのではなく

改善までの時間で有意差を狙ったのでしょうか。

ちょっとわかりませぬ。

結果

 ・Primary Endpointの臨床的な改善に要する時間は両群で有意差なし(ハザード比1.31 (0.95-1.85), P=0.09)

・28日死亡率は有意差なし。 (19.2% vs. 25.0%; difference, −5.8 percentage points; 95% CI, −17.3 to 5.7) or the modified intention-to treat population (16.7% vs. 25.0%; difference, −8.3 percentage points; 95% CI, −19.6 to 3.0)

ICU滞在期間は介入群で短縮。(median, 6 days vs. 11 days; difference, −5 days; 95% CI, −9 to 0)

・14日時点での臨床的に改善した患者の割合は介入群で増加。 (45.5% vs. 30.0%; difference, 15.5 percentage points; 95% CI, 2.2 to 28.8) 

・治療中のウイルスRNA量は両群で有意差なし。

・介入群で悪心嘔吐、下痢などの消化器症状の副作用がみられた。

 

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考察

 ロピナビル・リトナビルは通常ケアに比べ、臨床改善に至る時間、死亡率、咽頭のウイルス量、はともに変わらない。

 

 

ここからは僕の意見も交えて考察します。

本論文では、PCR陽性で肺炎がある症例に対するHIV治療薬の有効性を論じた。

 

有効性とは今回は臨床改善時間、死亡率、ウイルス量のことであった。

 

重篤な副作用がロピナビル・リトナビル群で増加していないため、安全面では担保されている。

 

また、臨床改善率(改善度の割合)やICU在院日数の改善がみられていることより有効性は、いまだ残している。

 

つまり、重症肺炎例において害はないが、効果はあまり期待できないということができる。

 

一方で、死亡率を改善しないため、あえて使う必要もないという意見もあるだろう。もっともだと思う。

 

注意すべきは、このトライアルは肺炎になってからロピナビル・リトナビルを投与されたという点であると考える。

 

COVID19による肺炎は間質性肺炎がほとんどで、発症から2週間で重症化することが問題視されている。つまり肺炎がCTで認められてからでは「すでに時遅し」かもしれない。

 

新たなトライアルが必要だと著者も言っている。

早期からのロピナビル・リトナビルや他の治療薬が肺炎進展予防に効果があるかどうかが個人的には気になるところだ。

 

ざっくりまとめると

肺炎になってから薬(HIV治療薬)を始めても効果が乏しい

といってもよいだろう。

【医学目線で書評】高校生からわかる「資本論」

こんにちは。stayfoolish@研修医です。

@研修医に変更になりました‼‼

@医学生の期間は知る人ぞ知るって感じ(笑)

 

先日、国家試験の発表があり、本日保健所に免許申請をしてきました。

ちゃっかり60,000円を収入印紙として納めまして、、

 

合格者が10,000人とすると

10,000×60,000=600,000,000

ロクオクエンロクオクエン

 

こんなことはさておき、

4月から研修医として日々学んでいきたいと思っております。

責任ある病棟実習、コツコツと精進ですね。

 

 

前回の【医学目線の書評】が自分でも全然わけわからないこと書いてたの反省。。

だって、難しいのだもの。

 

書いていくうちにうまくなっていくっしょ!と楽観。

 

今回は、これです。

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著者について

みなさんおなじみ池上彰さんです。

以前も池上彰さんの書籍を読んだことがありますが、

「反則級にわかりやすい」んです。

 

Youtube大学の中田敦彦さんがそう言われるのもわかります。

 

個人的には、入門はマンガもしくは池上さんとしちゃいたくなるほどわかりやすいです。

もちろん池上さんと親しいわけでもなんでもありません。(笑)

そこだけは断言しておきましょう。

 

注意すべきは、なんでもかんでも池上さん任せにしないことですね。

読解力を養わないといけない今後の世の中ですし。

 

けれど、さすがに医学だけかじったばかりの研修医には

資本論」の原著を読むのは、超絶恐怖でした。ムリデショー

 

池上さんの前にまずマンガから。

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父親を資本家にボロボロにされ、復讐を誓った主人公が

いつのまにか自分自身が資本主義の怪物と化した産業革命後のイギリスでの物語。

 

父親が資本家に「クビだ」と言われたのに

自分自身が資本家となり、労働者に対して「クビだ」と告げているのが、表紙です。

 

 

池上彰さんについてピンポイントレビュー!

座右の銘

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

趣味は地図の収集、ダジャレだそうな。

本は本業だそうです。

 

賢者は歴史に学ぶは刺さりますねー。

作品の概要

「父が娘に語る経済学。」でもふれたように

資本主義によって格差は今もなお拡大し続けています。

 

ごく一部の資本家が労働力を搾取してどんどん巨大化していくのを見守るしかないのか。

 

そもそも資本主義ってなんなんだ!?

(僕の心の中です)

 商品から考えよう

マルクスさんは、資本主義を考える上でまず「商品」から考えようといきなり提案してきます。いきなりです。

 

確かに全てのものが値段がついてるのは、どうして?しかも100均なんかで売られてるものってホントに等価なん?

 

って思ったことはみなさんありませんか?

 

マルクスさん曰く、

商品には価値があり、価値の裏には労働あり、と

 

使用してプラスにならないものは価値があるとは言えないよね。

その価値を生み出しているのは、労働だというのです。

 

つまり労働の量が価値の量を規定しているのです。これを「労働価値説」といいます。

 

商品の裏に隠れた労働ですって。

実際意識するとスーパーマーケットにいったときの商品の見方が変わりました。

 

あじ一匹100円、靴下100円、、

同じ100円なのに、その裏にある労働の種類は違うのに、相対的には100円で一緒なのだ

という社会が現実にはありました。

知らず知らずのうちに生きていたのです。

 

また、価値を決める際に「分業」が生まれました。

分業がなければ、交換価値は生まれません。

それぞれの得意分野で効率的に生産した商品を交換するのが、自然ですよね。

 

 

ここまでをざっくりまとめると

世の中って商品ばっかだよね、商品ってなんだろう。

価値があるから商品なのか、価値の裏には労働があるのか。

なるほどなるほど。

労働力も商品なんよ

資本とは、簡単に言うとお金の集まりといいます。

資本家とは、お金を増やす人のことをいいます。

 

商品を集めてつぎはぎつぎはぎして新たに商品を生産し、お金を増やすことが資本家の役割です。

 

今までの流れを汲むと

商品は労働力なので、過去の労働力に新たに労働力を付け加えて、新たに商品を生産し、それを売ることでお金を増やすのです。

ここで新たに生まれた価値を「剰余価値」といいます。

 

ということは、資本家が新たに生み出す価値は、新たな労働力ということになりません?

驚くべきことに、労働力を買っているのが資本家の現実なのです。

 

 

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こういった図式になります。

 

ここで問題なのは、

労働者は自らの肉体である労働力を売り物にしている点です。

資本家にとって、労働力に過ぎないのでいくらでも替えがききます。

しかし、労働者にとっては唯一無二な労働力は捧げるほかありません。

 

法的には平等で、等価交換、理論的にはそうですが、

実際的には、資本家に労働者はかなうはずはないのです。

 

また労働力は商品なので、その価値は変動します。

労働市場というものが存在するように、資本家と労働者の需要と供給のマーケットがあるのです。

 

まさしく労働力が商品として売られているのです。

 

以上をまとめると

資本家は、労働力を集めて集めて搾取し、新たな価値を作り出していきます。

その動きはとどまることを知りません。 

大量生産の果てに、失業者が

資本家は労働力を買います。

その労働力自体が新たなお金を生み出すからです。

 

よって労働力を搾取すればするほどもうかるのです。

言い方がかなり悪くなってすみません。理論上はそうなってしまうのです。

 

立場的には、資本家>労働者です。両者の争いは必然的です。

労働者はチームを編成し、労働組合を作り、資本家と対立を起こします。

これも必然的な流れなのです。

 

ここの部分の資本論の原文です。

 

「資本は社会によって強制されない限り、労働者の健康と寿命に配慮することはない。」

 

政治、法律によって、労働者は正当に守られるようになります。

皮肉ながら、あくまで資本家と労働者はもともと対等な関係であったはずなのに、、

 

 

分業して価値を生み出すことは少しふれました。

みんなが分業して大量生産することが、商品生産のコストを下げ、結果的に労働者の賃金を下げることに繋がっていきます。

賃金が下がることに反対した労働者の反乱を抑え込もうとするのも資本家の仕事となるのです。

 

その後、機械が登場します。

機械は人間の労働力よりも効率的に作業をします。その上、人間から筋力を使う労働を完全に奪い取ります。

それによって、女性や子供も働くことができるようになり、労働力の供給が増えるのです。

 

つまり、機械の導入によって生産コストは下がり、労働力はさらに安くなるのです。

 

どんどんどんどん格差が生まれて行ってしまいます。

労働力が安くなると、生活が厳しくなる人が増えます。

これはつまり労働力の供給がさらに増えていることになるので、どんどんどんどん労働力は安くなっていってしまうのです。

 

 

これが現在起こっている働いても稼ぎが十分でなくなってきている原理になります。

資本主義は格差を生み出し、失業者は必然となります。

 

以上をまとめると、

 

商品には価値がある。

価値は労働から成る。

労働者が労働力を提供する。

分業が価値を最適化させる。

工場が作られ、大量生産する。

商品生産コストが下がる。

労働者賃金が下がる。

資本家は資本家をも共食いするようになる。

格差が拡大する。

失業者が生まれる。

 

僕なりにまとめるとこういうことかな。

資本主義って結局大丈夫なん?

 今まで、資本主義の欠点ばかりに焦点がいきがちでした。

 

労働力が分業することで最適化されることにより、経済が豊かになってきたのは

紛れもない事実です。

 

また、アリストテレスが言うように、人間は社会的動物です。

資本主義社会には、分業が欠かせず、お互いの協力が必須となります。

みんなで協力して大きなことを成し遂げていくのは、社会的動物としての最高の生きがいになるはずです。

 

また、分業に必要な能力を身に着けること、つまり専門性を持たせるような教育が充実することにもつながります。

 

現在、なにげなく行われている教育は資本主義経済を豊かに生き抜くためだと言い換えることもできるね。

 

しかし、マルクスは資本主義経済には「最後の審判」が下るという。

資本主義が発展することにより、生産性が向上する。

それがごく一部の独占資本化だけに集中していると、経済は決してうまくいかなくなる。

あるいはものすごく不満を持った、力を持った労働者たちが増えてくる。その労働者たちの不満が高まるとそこで革命が起こる。

 

マルクスは、高度に資本主義が発展した末路を予想していたのだ。

絶対王政が崩れ去ったフランス革命を予感させるかのように。

考察・批評

商品を分析することから始まり、労働力が商品となり、それが資本主義のエネルギー源として搾取されていき、資本主義という血まみれの怪物ができあがっていく過程がよくわかりましたね。

 

資本主義は利益追求を第一に考えているので、基本的には消費活動をしなければ、経済は成長しないという現実もあることを知りました。

 

「日本は世界で唯一成功した社会主義

と言われていたことがあったそうです。

 

高度経済成長前において、マルクス経済学を勉強した官僚達が

「労働者の権利を守らなければいつか革命が起きる」

と考えていたため、企業は労働者に対して手厚い福利厚生を施した。

 

これが、終身雇用制に繋がっていたのではと思いますね。

誰でも長い間勤務していれば、自ずと給与が上がっていくことは、第一に競争が激化しないことに繋がります。

 

競争が激化することは、資本主義の大好物です。

その分生産コストが引き下げられ、労働者の賃金も結果的に安く済ませられるのですから。

 

近年、派遣切りを始めとした就職難や低賃金で苦しむ人々が増加したのは、

国がむきだしの資本主義を改良すべく、公共事業を多くし、国家公務員を増やし、社会福祉に注力したのにも関わらず、近年その規制が撤廃されたからだと指摘されています。

 

本当に一口では語れない、難しい問題だと思います。

 

 

医学目線での感想を少し。

 

資本主義において、利益追求が第一です。

医学において利益追求を第一とするのは明らかにまずいです。

 

治験においても、企業主導から医師主導の流れになっていますし、

COI(利益相反)も厳しくなってきています。

(まだ現場に出ていないし、日本の医療現場の現状を知ったかぶりしているだけかも)

 

利益を第一として薬を売り込みにくる製薬会社の巧みな罠に気付かないといけません。

これができるかどうかがまず医師として一人前になれるかの最初のステップかなとも考えています。

 

批判的吟味ですかね。

 

その一方で、皮膚・放射線・病理の画像診断に関してはNew England Journal of Medicineでも5年以内に一般化しうると言われています。

まさしく、資本主義の凌ぎの削りあいでシェアの奪い合いが始まりますね。

けれど、AIを始めとしたDeep learningが、果たして医師、患者さんにどのような影響を及ぼすのかを考えなければいけないと思います。

 

今のこの猶予ある時間でこそ考えておかないといけないと思います。

また、そこに自分の将来やりたいことやるべきことが見えてくるかもしれないとも考えています。

 

話は逸れましたが、

資本主義と医療の接点はちょっと考察が難しかったです。(笑)

まとめ

資本主義によって格差は拡大を続け、ついには革命が起きる。

僕なりの「資本論」の短すぎるまとめです。

 

インドに行ってきて、感じた格差社会

歴史、宗教、経済、資本論で考察してきましたが、

 

これからGDPが成長を続けるアジア、アフリカ諸国が今のアメリカや中国とどのような関係になっていくのか、

 

なんとなくわかったような気もします。

いや言葉にはできません。

もっと勉強します。(笑)

【医学目線で書評】父が娘に語る経済の話。

こんにちは、stay foolishです。

【医学目線で書評】シリーズが始まりました。

書籍の紹介とざっくり概要、吟味、をしていきます。


今回は、インドで乞食を目の当たりにしたことがきっかけで

「格差」ってなんだろう。どうしてだろう。
経済的に解決できる問題なのか。そもそも経済ってよくわかってないし。

ということでチョイスしました。


個人的に、経済学の本!を選んでもよかったのですが、概略をつかみたかったもので。

余談になりますが、ある分野の本を選択する前に、漫画版をあらかじめ読むようにしています。
書店でサクッと読んでその分野に興味が持てるかどうかの「ふるい」みたいな。
漫画版は視覚的に印象に残りやすいので、侮れないです。

 

 

著者について

ギリシャ財務大臣を務め、ギリシャの経済危機を経験。
EUから財政緊縮策を迫られるなかで、大幅な債務帳消しを主張し、世界的な話題に。
現在はアテネ大学で経済学教授を務めています。

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作品の概要

本のタイトル通り、著者が10代の娘に向けて
「経済についてきちんと話すことができるように」という想いから、

できる限り専門用語を使わないで、経済について語ったものです。
よって、経済学のド素人の僕にもわかりやすいないようになってました。

この本は

「この世の中には有り余るほどおカネを持った人がいる一方で、何も持たない人がいるのはなぜだろう?」

という疑問を掘り下げていくことに終始します。

いま、僕たちが真剣に考えなくてはいけないのは、資本主義についてなのです。

 

5テーマに分けて解説しますが、

結論は、産業革命で余剰が拡大したことに伴い、「交換価値」を主義とする市場社会が生まれた。その一方、環境を「交換価値」として扱い、破壊し続けているという問題がある。その解決策は、金融政策の決定過程を民主化することだ、と読み取りました。

 

キーワードは2つ

・余剰

・交換価値と経験価値

 

理解しがたいところをざっくり掘り下げます。

「余剰」が市場社会の原点

アボリジニはどうして侵略されたのか?」

この答えは「余剰」を手にしたからだと著者は言います。

 

どういうことか?

人類は遠い昔は、狩猟をして生活していました。

永遠に狩猟で生活できたわけではありません。環境によって獲物の量が元から違います。

環境に恵まれない国では、早々と獲物不足に陥ってしまいます。大ピンチです。

 

このとき、「農業革命」が起きました。自分たちで作って自分たちで食べようと。

それによって狩猟生活では存在しなかった、「余剰」が生じます。

この余剰が後に通貨や国家統制を生み、市場社会が形作られていきます。

 

市場社会に武装された国家による侵略には、アボリジニはかなわなかったのです。

「交換価値」と「経験価値」

交換価値とは

全てのものが定量的に測られる=すべてのものが「商品化」される

 

経験価値とは

値段で測ることができない、親密さや絆の証

 

市場経済は、交換価値が経験価値を打ち負かして成り立ったものです。

 

歴史的背景に戻ります。

市場社会は、「格差」を生むようになります。

ごく一部の人が利益を労働者から搾取するようになっていくのです。

 

この格差が、産業革命」によってものすごい規模に拡大してしまうのです。

蒸気機関によって労働力がパワーアップされ、その利益は労働力から搾取され、資本家のもとへ集まることになります。

市場社会をざっくり

市場社会と政治は切り離せないものです。

癒着があると言ってるわけではありません(笑)

 

市場社会は、政治によって統制がとれていないと成り立たないのです。

つまり、民主的な政治判断の下で、ある程度の安全が担保されているのです。

 

企業が借金を返済できないときは、国が面倒を見るしかありません。

中央銀行がパッとお金を刷ってくれます)

 

国家が安定をもたらすことに成功すればするほど、借金を生み出しやすい安全な環境が生まれ、

銀行はますます活発にカネを貸し出すようになります。

 

こうしてカネは市場社会を回していくのです。

 

 

安定してると思いきや

この市場社会というのは、不安定です。

 

この不安定さは、決して解消されることはありません(笑)

それは市場社会を形成しているのが人間そのものだからです。

 

純化すると

景気がよくなったとみんなが信じ込めば、株を買ったり、モノを買う

つまり、経済が循環していきます。その逆もしかりです。

 

みんなが信じ込むことがミソなのです。ここには、ニュースがかなり影響してきます。

フェイクニュースを信じる人がいて、集団で同じ行動に出れば、それだけで市場社会は揺れ動いてしまいます。

 

つまり

市場社会で利益を出そうとしている起業家は、他の多くの人たちがどう考えているかを憶測し、その憶測に動かされているのです。

 

みんなが何を信じ込むかが市場社会を動かすのですね。

環境と市場経済

皮肉な話がある。

山火事が起こると市場社会は間違いなく活性化する。

 

消火活動、とそれに伴う燃油の消費、インフラの工事、など

経験価値であったはずの環境が交換価値として存在するようになった。

人類は利益追求のために、環境を食い物にしているのは、まぎれもない事実である。

 

どうすればよいか?

環境を全て交換価値として所有すればよいという考えがある。

全て購入できれば、それ以上の管理はないし、その利益を株のように分割すればよいのではないか。

 

かろうじてまだ残っている環境の経験価値を一つ残らず交換価値に変えるというのだ。

 

大切なポイントは

その運営は市場社会ではなく、民主主義に任せるべきと、著者が主張しているところだ。

市場では富の多寡によって、もつ票数が決まってしまうからだ。

これは、お金持ちによって地球自体が所有され、利用されることに直結しかねない。

 

民主主義は不完全で腐敗しやすいが、ただひとつの解決策に他ならない。

考察・批評

 この本のタイトルは

父が娘に語る

「美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい」

経済の話。

 

非常に読みやすく、歴史的背景や具体例を含めていて興味深かったが、

2回目読んだとき、深い!そこまで壮大な話をしていたのか!

と感激しました。

 

しかし、あまりに深く壮大なので、まとめるのがかなり難易度高めでした。

書評慣れてきたらもう一回まとめたいと思える一冊でした。

 

医学目線で感想をつらつらと。2点!

まずはCOVID-19。

 

現在COVID-19が地球上の経済をかき回しています。

SARS-CoV2によるウイルス感染症です。主な死因は肺炎です。

 

感染経路は一般的なコロナウイルスと同じく、飛沫感染接触感染だと言われています。

くしゃみをしたしぶきを触って口にもっていくことでウイルスが体内に侵入します。

 

よって一般的には、マスクをしていても空気から感染するわけではないので、予防には効果はないです。目から口にかけてのTゾーンを頻回に手で触れることが危険なのです。

一方で、感染者のサージカルマスクは、飛沫感染対策として必要だと言われています。

 

今回はこの辺でやめておきます(笑)

何が言いたいかというと、

マスクは感染予防のために効果はないというエビデンスがあるにも関わらず

大衆は不安に駆られてマスクの大量購入、転売、等々をするのです。

 

みんながやるから

という思考が経済を動かすのです。

著者が経済の不安定さは、人間そのものだと著者も言っておりました。

 

決断における精神心理的な面白さを感じました。

患者さんの決断理由に思いを馳せるのは、大切なことですね。

 

また先日、トランプ大統領

フェイクニュースのせいで、NYダウが下がった!」

と発言しておりましたが、

 

フェイクこそが経済を動かすのです。

 

と思ったら非常事態宣言をしたことで、これで国家主導体制が整った!と

NYダウが急上昇しました。

 

現在、COVID-19の影響で大変なことになっておりますが、

医学・経済・政治を学ぶ非常によい機会だと思ってます。

 

これから更新するごとにCOVID-19についてつぶやいていこうかな。

医学は他人事ではないので、しっかりとした情報です(笑)

 

 

 

もう一つ、経験価値についてです。

資本主義において、経験価値自体は無価値に等しいです。

 

しかし、日本においては経験価値が無意識に重要視されているような印象を受けます。

なんででしょうかね。

 

欧米でチップ文化がありますよね。

あれって、サービスに対する感謝の意、

その曖昧な気持ちを具体的な対価として捉えるという発想の上で成り立ってると思います。

 

けれど、日本人としてやっぱりチップは馴染めないとこがどこかありません?

僕個人としてはお世話になったときは

「次なんらかの形でお返ししなきゃ」と思います。

その場でお金を払うという意識は根付いていません。

 

しかし、資本主義においてはチップの方が理にかなっているっちゃかなっているのかな

と思ったり、、

 

経験価値こそこれから重要になってくると僕は信じてます。

すべてのものが「商品」となるなかで

「気持ち」は商品にはできないですよね。

 

その気持ちを繋いで、親密さを形成していくことを大切にしたいなって思います。

まとめ

産業革命で余剰が拡大したことに伴い、「交換価値」を主義とする市場社会が生まれた。その一方、環境を「交換価値」として扱い、破壊し続けているという問題がある。その解決策は、金融政策の決定過程を民主化することだ。

 

キーワードは2つ

・余剰

・交換価値と経験価値

 

最後に著者のヤニス・バルファキスさんの好きな詩を。

 

 

「私たちは探検をやめることはない

そしてすべての探検の終わりに

出発した場所にたどりつく

そのときはじめてその場所を知る」

 

 

今度は、マルクスの「資本論」読みたいと思います!

【インド旅行記】6. デリー映画編

ついに最終日。
本日の夕方の便で帰国します。

最終日はデリーの映画館に行きました。


インドといえば、世界一の映画大国です。世界で最も多くの映画を製作しています。
ヒンディー映画が多いですかね。

HOLLYWOODとボンベイ(インドの都市)をかけて、BOLLYWOODとして有名ですね。


僕のなかでのインド映画は「スラムドック$ミリオネラ」です!
今まで映画で一番好きかもしれないです。


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本当は、もっと古くてインドらしい映画館に行きたかったんですが、
上映時間の都合で、行けず、、

比較的新しい、映画館に行きました。
400ルピー(600円)ほどでした。街中の映画館では200ルピー(300円)以下でみれるそうな。

上映前に、商品のCMが流れるのですが、ほとんどのCMに同じ俳優が出てて
「またこの顔かー」でした。

草刈正雄にそっくりで、ダンディーなんです。
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これは草刈正雄、本人です。

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これが、またこの顔です。めっちゃ似てるな。

ここで驚いたのが、
この人がアミダーブ・バッチャンだってことです。
どこかで聞いたことありません?そうなんです。

「スラムドック$ミリオネラ」で超人気俳優として描かれた人です。
まさか実在するとは思っていませんでした。

描かれたシーンが超印象的で、
インドのある街に、「アミダーブ・バッチャンが来るぞー」で
本当に来るのです。みんな大人気俳優にサインをもらおうと殺到します。

その際に、主人公の少年が仲間に意地悪され、
サインをもらえないようにするため、トイレに閉じ込められてしまいます。

しかし、アミダーブ・バッチャンの大ファンである少年は意を決して
なんとトイレにダイビングして下水道を通して脱出に成功します。

汚物まみれの少年はやっとのことでサインをもらうというシーンです。

アミダーブ・バッチャンと叫びまくってたのを覚えていて、
まさかインドの映画館で本人と再会!?するとは思ってなかったです。

「これがうんこまみれでもサインをくれたアミダーブ・バッチャンか」

日本に帰ってきてから気付いたことですが。(笑)


見た映画は、ホモセクシャルの男性の同性婚に至るまでを描いたコメディー映画でした。
ヒンドゥー語で字幕なしだったので、もちろん笑いのツボは全くわからず、

異文化の笑いほど理解が難しいことはないかなって思います。
まずは、文化的な土台を理解したうえで、斜め上のボケが読めないといけないわけですから。

映画鑑賞というより、映画文化を体験してみるといった感じでした。


かねてよりインド人は映画鑑賞中に

  • めっちゃ笑う
  • めっちゃ踊る

と情報を仕入れてました。

めっちゃ笑うは本当でした。インド人のツボは浅いのかな。
僕にはツボが全く分かりませんでした。

今回の映画でももちろん踊るシーンは多かったですが、映画館でみんなで踊ることはなかったです。
ちょっと残念。みんなで踊ってみたかったな。


てなわけで
スーパーにいって、買い物して、帰国しました。


インドに行ってさらに深めたいと思ったことです。

  • 宗教と生活とその歴史。
  • 格差と資本主義の関係性。

この2点について、今後勉強していきます。

研修医になるまでもう1か月を切りました。
今のうちに医学以外の生涯学習のやり方についても、
継続的に行えるように
土台づくり、システムづくりに取り組んでいきます。


次回からは、読書感想文と卒業制作に取り組む予定です。

【インド旅行記】5. アグラ(タージ・マハル)編 後編

気付けば、前回は移動と雑談しかなかったな(笑)
アグラのハイライトです。

「華麗なる愛の墓」タージ・マハル

メインゲートからついに入場です!
お出ましです!!
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めちゃくちゃ美しい。完璧なまでのシンメトリー。

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メインゲートを内側から撮りました。
上に小さなホイップクリームにつまようじがのったようなものが11個見えます。

これは、建築までに22年の月日を要したことを表しています。
(実は裏にもう一対あるのです。)

もう一度いきます。
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みとれてしまいます。惚れ惚れです。
中央のお姉さんもかなり美しかったです。

けっこう長い間ポージングされてました(笑)


ちょっとうんちく。
うんちくって感じだと蘊蓄と書くそうです。両方ともたくわえる意味があるそうで。

ほんとにうんちく。

タージ・マハルは、ムガル帝国第5代皇帝のシャー・ジャハーンの命によって
2万人の労働者により、22年の歳月をかけて造られました。

建設した理由は、「愛する妻が亡くなったのが耐えられなかった」から弔いとしてだそうな。
実は自分の墓も裏を流れるヤムナ川の対岸に作ろうとしてました。

真っ黒にしたかったそうで、幻のブラック・タージ・マハルといったとこでしょうか。

しかし、第6代皇帝(実の息子)が、やんちゃな息子だそうですが(笑)

「親父!タージ・マハルにどんだけ金と労力使ったと思ってんじゃボケい。
この期に及んで、お前の墓なんて誰が作らせるかい!」

ってことで、アグラ城(普段住んでいるとこ)の奥に、息子によって幽閉されてしまします。
かわいそうに。

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ストレス指数のトップは、配偶者の死です。幽閉されるのはTop10に入っていませんでした(笑)


2万人の労働者は、敷地内もしくは敷地のすぐ外に住まわせていました。
それもあり、現在も当時の労働者の子孫が、各々の分担ごとに常にタージ・マハルの改修をしているそうです。

約400年前から変わらぬ伝統的な手法が今もなお残っているのも、無形遺産といったところでしょうか。

ムガル帝国の栄枯盛衰」アグラ城

ムガル帝国の皇帝の屋敷、アグラ城です。

第3代皇帝、アクバルによって建てられました。
ムガル帝国イスラム教の王朝でしたが、当時のその地区にはヒンドゥー教徒が多くいました。
対立させるのではなく、うまく融和させるやり方として

ヒンドゥー教徒を妻に」したそうなんですね。

この賢いやり方で、一気にムガル帝国で治世したと言われてます。

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上がイスラム風の建築、下がヒンドゥ風の建築です。
アグラ城にも融和の歴史が残っていました。

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これはタージ・マハルでおなじみの第5代シャー・ジャハーンの屋敷です。
どんだけ白い大理石好きやねん!
白すぎて暮らすには落ち着かない印象でした。

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アグラ城からタージ・マハルが見えます。
シャー・ジャハーンの晩年はここで幽閉されていました。

ブラック・タージ・マハルのはずが・・・

タージ・マハルの裏のヤムナ川を挟んだところの、ブラック・タージ・マハル建設予定地にも行きました。
現在は、庭園があります。建築の基礎の部分は、保存されています。

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裏から見たタージ・マハルなんです。

インド人は写真がお好き

ガイドのアトゥーさんのカメラワークはプロでした(笑)
いやほんとにいろいろ写真を撮ってもらってすごくありがたかったんだけど、

やっぱり聞くとインド人は写真が好きだと言ってました。写真を撮るのも映るのも。
僕はiPhone11に替えたばっかりで、アトゥーさん、すごく楽しそうに使いこなしてました。

日本でもインド人を見かけたら、写真を撮ってみてはいかがでしょう。


次回はデリー編、総集編になります。

【インド旅行記】4. アグラ(タージ・マハル)編 前編

バラナシから飛行機でデリーに帰ってきました。

本日は、デリーからアグラへ特急(ガディマン・エクスプレス)で日帰り旅行!

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2017年に開通したみたい。おニューです。

デリーとアグラは230km離れており、約2時間で走り抜けます。

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車内は新幹線とおんなじ感じ。2等席です。


新幹線といえば、インドでも「日本の新幹線走らせようぜ計画」があるみたいです。
しかも、実際に工事に着工してるようです。知らなかった!
日本と同じ新幹線の車両が走る予定です。

https://newsphere.jp/economy/20191225-2/

けれども、地方自治の反発にあって計画は難渋してるようです。


日本で新幹線が初めて開通したのは、1964年「東京オリンピック」でしたね。

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新幹線って300km/hは出てると勝手に思ってた。。。


実は東海道新幹線より、東北新幹線の方が速い!!!らしい
320km/h超えてるらしいよ。東海道の方が速そうなのに、意外でした。



さて、アグラに着きました。またまたガイド探しです。
今回のガイドは、アトゥーさんです。

彼は、会ったインド人の中で一番日本語が上手でした。
バラナシのガイドは、こちらから質問すると

「ちょっとわからなーい。英語で話してー。」

とすぐ言われました(笑)。
けど英語の方がやりとりがスムーズでわかりやすかったってのは事実(笑)。


アトゥーさんは全然そんなことなくて日本語対応バッチリでした。
大学で2年間学んだだけとは思えませんでした!


僕に限らず高校に行っていれば、日本人は少なくとも6年間英語を学んでいることになりますよね。
けれども、まったく話す英語として教育されなかった。完全なる受験英語でした。

日本の英語教育が取り残されていっているのを感じます。ヤバいよこれはほんまに。
英語は受験科目じゃなくて、言語ですから!!


インドの大学はPublicとPrivateがあって、Publicの競争率は半端ないそうで。
Privateは学費がとんでもなく高くて通えない。
物価は1/3-1/2なのに、日本と学費が変わらなくて。Publicに行くために必死で勉強するそうです。


アトゥーさんはエンジニアになりたかったですが、Publicに行けず断念。。
そこから、日本語を大学で学んで、ガイドをする道を選んだと言ってました。

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この本たまたま、立ち読みしたことあったんです!思い出しました。
すごく実践的で、インドの教育から学べることは多いと感じました。



ところで、2/24にトランプ大統領がインド来訪したのを御存じですか。

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僕が行ったのは、2/20でした。
少しずれてたらタージ・マハルではなくトランプ大統領が観光できたかもしれません(笑)

いやー危なかった。
タージ・マハルが見れてよかった。

そのおかげ!?もあって
アグラの町は、トランプ大統領が通る道だけ大改装中でした。

写真撮り忘れたのですが、木も道に同化させるべく、赤白に塗られていました。
絶賛作業中でした(笑)。一夜漬けっすね。

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これは僕がとった写真です。

なんとなんと
真ん中の水路で作業している人がいるではありませんか!!

もちろんトランプ効果です。

こんな写真が撮れてなんかネタになったね(笑)撮りたくても撮れないヤツだわ。


明日の予告です。
「華麗なる愛の墓」タージ・マハル
ムガル帝国の栄枯盛衰」アグラ城

後編に続く。