Dr.すてふの備忘録@岐阜

旅と、競馬と、時々医学。

【医学目線で書評】仮病の見抜きかた

こんにちは。stayfoolish@研修医です。

明けましておめでとうございます!麻酔科ローテで1/1,2.3は待機になっており、独りで新年を迎えております。27歳にして初めての独り年越しだったのかな。 

 

2021年は「時間の使い方」を意識していきたいなと思ってます。やりたいことはたくさんあるものの整理と優先順位が曖昧で、未実行に終わってしまうこと多くないですか?僕は去年そんな1年でしたワラワラ。

 

あと整理しなきゃなのは間違いなく書籍類ですねー。机の上は綺麗に保つことを意識しているのですが、どうしてももう本は限界っすキタナクテスミマセン。本棚は全然収納機能がないので元々買っておらず、100均のお助け本棚で頑張って積み上げていったものの、、

 

医学書は多いのですが、電子書籍で買えるものは移行していこうと思います。あとこの本棚も正月中にすぐ整理しようかな。先日楽天kobo電子書籍リーダーを購入しました。医学書以外はこっちで買っていこっと!

 

今日は國松淳和先生が執筆された一風変わった医学ノベル「仮病の見抜きかた」の考察をします。非常に面白く、こんな経験あったけど、考えずにスルーしていたなと思うことばかりで今後の診療の幅を広げてくれるきっかけとなる1冊と確信してます。

 

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著者について

南多摩病院の総合内科・膠原病内科の國松淳和先生。診断力はもちろん、観察力、思考力で非常に参考にさせて頂いてます。お会いしたことはもちろんありません(笑)。他にも「ブラックジャックの解釈学」、「不明熱・不明炎症レジデントマニュアル」、「Kunimatsu’s lists」等、多く執筆されています。

作品の概要

10人の患者さんを10症例としてではなく、10エピソードとして患者側、医療従事者側(特にレジデント)の心理の揺れ動きを書き下ろした医学書ノベルになってます。

考察・批評

研修医1年終わろうとしている中で今まで臨床に優れている医師は「多くのゲシュタルトを構築している医師」と認識していたが、本書を読んでそれだけではないことに気付かされました。何よりありありと書かれたエピソードのリアリティが凄まじく、今後印象に残った出来事はノベル調に書いていこうと。

 

医師には医師の仕事があり、死につながる病気、後遺症になるかもしれない病気を早期に見抜き、診断し、治療につなげるという職責がある。その一方で、それらを全て尽くしても患者の思いや願いとはかけ離れてしまうことがある。

2ポイント今後実際に活かせると思ったこと、①診断できない不快感をそのままにしないこと②言動より行動に着目すること

日常診療は診察⇒検査⇒診断⇒治療の流れが一般的です。検査診断をすっ飛ばして治療することもありますが、結局は治療にたどりつくのがほとんどだと思います。逆に治療法がなかったり、正しく診断できないために治療はできない症例に無意識のうちにイライラを感じてしまっているのは紛れもない事実です。やっぱり臨床をやる身としては目に見える改善がモチベーションになりますもんね。そこで患者さんが何に困っているか、どんな認識でいるのかを確認することが大切かなと思いました。言動より行動に着目するというのは非常にしっくりきました。子どもは言葉をうまく操れないので、行動に着目する他ありませんよね。成人の場合ももちろん同じですが、「嘘」をつくことができます。これは厄介ですよね。でも、行動に関しては嘘はつけませんよね。観察力が大切です。高齢者の場合は、言葉を話せない場合だったり、身体症状自体でにくい場合だってあります。

 

僕は研修医ですのでまだ「自分の患者さん」というのがありません。せいぜい関わるのは救急外来受診時だったり、入院期間中というほんの一部分にすぎません。患者さんにとっても医療機関受診は一部分にすぎないですが、その背景には様々な要素を含んでいます。そこに思いを馳せることは日常診療において非常に大切なことなのではないかと思わせる本でした。

まとめ

だらだら書いてしまいました。國松先生の世界観は面白く、他の本も読んでみたいと思いました。

ではまた!