Dr.すてふの備忘録@岐阜

旅と、競馬と、時々医学。

【書評】とことん深めるライフストーリー

こんにちは、ステフです。

面白そうな雑誌をやっていて、隣県のまるものDrが監修している!

とXで情報を得たので、医書jpを介して読んでみました。

 

総合診療専攻医として共感の嵐の内容でした!オモロイ

 

 

職業はその人の人生、現在の生活様式に多大な影響を及ぼす。

職業内容と姿勢からはその人のライフスタイルや価値観を把握することができる

⇒ 究極の個別化医療が提供できる!

というざっくりとしたまとめです。

 

特に高齢者診療の際に「最初から高齢者じゃないよ。」という格言にしびれました。

明日からも高齢者にrespectを持ち、全てから学ぶ姿勢で頑張ろうと思いました。

 

 

ではまた!

【些末な日常診療】全国在宅医療テスト

こんにちは、ステフです。

 

先週末はインフルエンザにかかってしまい、sickでしたノドイタカッター

本日は休養をもらい、ほぼ全快かな。全国在宅医療テストが土日にあったんやけど、sickでできんかったー。というか、勉強不足過ぎて今後診療所全体で共有しながら取り組んでいこうかしら、とのんびり構えております。

 

ただ、在宅医療に関するマネジメントは在宅報酬算定が議論できないと適切なサービスが使えない、、ということに繋がりかねず。個人的にはあんまり面白くないなあ、と思いつつ避けていた分野ですが、訪問看護の領域だけは最低限押さえておかないとと思っています。

 

ベンキョウシマス!

今後ちょくちょくブログ内容にも反映するかもです。

 

制度の勉強をしていると、「原則」という決まり文句にイライラしますね。

原則ということは例外が問題になるんですよね、そうですよね。

 

訪問診療へ移行したり、他医療機関から訪問導入、また訪問看護(医療)の場面はその都度、たんぽぽ先生に聞きながら。細部だと疲れちゃうんでざっくり勉強しながらまとめていきまする。

 

それでは!

 

 

【書評】家庭医療専門医のススメ

こんにちは、ステフです。

 

自分は、現在総合診療科の専攻医2年目で、今後救急科も学びたいと思ってます。

というのも、多様なニーズに対応できるようになりたいなーと漠然に思ったからです。魅力がつきないところが魅力ですかね。

 

11月に診療所に地域研修として研修医が来ますドキドキ。指導医としてデビューとなり、プラン作りに悪戦苦闘しています。指導に関する書籍を読んでみたところ、本書をみつけ、家庭医療って自分で説明するの難しいなーと思いながら手に取りました。

 

 

総合診療医のカリキュラムにあることをわかりやすく、歴史的経緯と現在の医療の問題点を踏まえて、経営マネジメントにも着目してまとめてくれてる良書でした!スラスラ読んじゃいました。

 

家庭医療学を学ぶことで診察上手になれる、ことは確診しました。医学の発展の歴史に関して言及があり、事象を抽象化しすぎたあまり、病人⇒疾患へ治療対象が移行したことが、現在の医療の問題点として挙げられています。いつも思っていることを歴史的経緯を踏まえて言語化してくれてます!スバラシイ

 

昨今、様々な業界でVUCAの時代、不確実性が高い時代であり、多様性を重視したうえで、専門性を磨く必要がある。というのが定説化されています。私はこの意見に対しては慎重になる必要があると思っています。業界でニーズ自体が全く異なるからです。医療においては、Specialistが飽和しており、つなぎ役のGeneralistが不足している状況があります。またGeneralistとして働きたい医師の働き手がないという問題もあります。そんな中で総合診療医に課せられた使命は、今後2025年問題やその先の医療需給において非常に大きいと思います。

 

何を言いたいかというと、Generalist mindをみんなで形にしていけたらいいな、と本書を読み、確信しました。そのためには、小さく発信を続けていこうかなっと。

 

ではまた!

【些末な日常診療】心原性ショックは非常に幅広い概念

こんにちは、ステフです。

週1回、3次救急病院でER対応をやってます。それ以外は1人診療所勤務なので、なんというか刺激になってます。多様な視点から考察でき、また研修医と共に学べる機会があり、有難い次第です。

 

そんな最中、ショックがやってきました。

当初は主訴もよくわからない感じでしたが、みるみる徐脈+血圧低下。CTに行く前にショック対応を行い、結局側壁STEMIでした。ショックの認知はできましたが、心原性ショックって胸部症状や心不全症状がないと、案外わかりにくいです。特に徐脈ショックの場合は、より一段とギアを上げて心原性の可能性を早期に疑う必要があることを学びました。

 

今回は、徐脈+心電図変化が手掛かりになりましたが、経過中に心原性ショックをrule inするのは難しいと感じました。

 

 

また組織作りの観点からも、救急医と循環器医は密接に連携できる環境、文化づくりが非常に大切と実感しました。今回は、救急車来院や初療の時点ではACSや心原性ショックを全く疑わない症例でした。他の症例では、プレホスピタルの段階から循環器医に連携できるようなシステム作り、遠隔で12ECGを把握し、即座に病院選定、カテ室準備が必要になることもあります。循環器救急と外傷救急は似た所がありますね。

循環器医は非常に多忙であり、恐れ多い気持ちがありますが、またその分コンサルトのハードルは上がるような気持ちはあります。カテ室までは自身と責任を持って繋げれるように今後も研鑽を積まないとー。

 

ではまた!

 

 

【些末な日常診療】高齢者と運転免許

こんにちは、ステフです。

 

診療所外来では、多種多様な問題点が次々と出てきます。

医学的な問題だけでなく、突き詰めると社会問題に辿り着く、その一つが「高齢者と運転免許」です。

 

地域において運転できないことは生活が成り立たなくなることを意味します。

また運転免許がなくなることは、利用価値以上に喪失感を伴います。

 

医学的には、運転ができることは様々な能力を必要とします。①認知、②運動、③視覚の能力を持ち、適切に判断できて初めて安全な運転ができると言えます。あんまり深堀したことはなかったですね。

 

プライマリケアとして気付くのは、高齢者総合包括評価の項目そのものじゃないか!

ということです。社会情勢的に周囲の反対やステレオタイプ(高齢者は運転すべきでない)から高齢者の運転権利が不当に剥奪されることはあってはなりません。それぞれの項目でTreatableな要因を正しく評価することが大切ですね!

 

また地域によってさまざまな運転支援サービスがあります。知らないことばっかりです。地域包括支援センターのリンクワーカーにつなげましょう!

 

また外来で免許を更新させるべきじゃない!と家族に責められるケースもあるでしょう。喪失感へのケアや行動変容のアプローチを総動員して、総合診療医の腕のみせどころなのじゃないかと調べていて思いました。

 

ではまた!

【些末な日常診療】Blocked PACとその意義

こんにちは、ステフです。

 

変わらず僻地で総合診療を続けてます。月曜日は祝日が重なることが多く、忙しいですよね!ハンギレ 初診も多めですし、

 

というわけで久しぶりにBlocked PACを見ました。定期のECGだったわけですが、

やっぱり時間をかけて判読しないとBlocked PACらしさを読むのは難しいですね。どうしてもWenchebachABVと紛らわしいです。

 

今回判読してて思ったのが、判読ポイントとしては①しつこくP-QRSを追う、②T波に隠れたP波をみつけろ、と思いました。目新しいことはないですが、②は割と着目点かなと

 

PACの臨床的意義についてさくっとuptodateみてみました。

持続する場合はAFへの以降や心血管死のリスクが上昇するようです。

βブロッカーでの介入試験では、AF移行には差はなく、死亡率は介入群で低下したようでした。

 

本症例でもBNPは上昇傾向にあり、左房負荷の病態であることは認識できました。

持続するPACを見たら、左房負荷を来す病態を意識して診療に臨むことと、PACを来しうる背景を早期治療に繋げる意識が重要と学びました。

 

久しぶりにまともなこと書いてますねワラワラ

ではまた!

 

 

【書評】これからの「お看取り」を考える本

こんにちは、ステフです。

 

今年度初投稿です。夏休みで時間が取れて色々考え事をしていたときに、ブログをほったらかしていたことに気付きましたギクリ。そろそろ向き合わないといけないと思い、復活させる決意です。

 

4月から山間部の一人診療所に赴任し、所長となってしまいましたシンジラレン

看取りに携わる機会が多く、最近は診療所内で看取り後カンファを始めてみました。なんとなくもやもや感が払拭できず、スタッフに話してみたところ快諾されたからです。

 

総合診療EBMといえば名郷先生。看取りの本があるという情報を受け、さっそく読んでみました。

 

読み応えが半端ないです。ボリュームというより、内容が凝縮され濃厚でした。

ただ実地臨床(医療過疎地域での外来や訪問診療、予防医療等)を経験していないと読解は難しく、内容によっては乱暴に取られるような内容もありました。個人的には髄まで染みわたる内容でしたが、

 

  • 看取り/死はプロセスである
  • ACPは意思決定の場ではなく看取りのプロセスそのもの
  • 下り坂に優しい看取り

 

「医療が受けられる権利を残しつつ、どこかで終わりのポイントを見出し、その経過で介護・ケアを継続的に提供し、死を前提とした看取り」

 

【書評】

「生」と「死」両面を持って、日常生活を営んでいることが実感できた。終末期において、医療としてできることはほとんどないことは。家庭医療を提供している立場から常々感じている。「生」の希望/絶望、「死」の希望/絶望を意識し、両価性を認識することはもやもや感を言語化できる方法と感じた。

 

日常診療では、illness trajectoryを常々意識するようにしている。気を付けないといけないのは、それが医療のみを表していること。生活を支援する介護・ケアと協働し、病状悪化の傾きを可能な限り緩やかにすることが総合診療医のできることと感じた。

 

過剰医療を無意識に切望する社会に対して、警鐘を鳴らしている点に関しては理解共感はできるが、医療を適切に提供することが仕事であり、立場的になにかを変えることは困難と感じた。

 

看取り後カンファに生かせていけたらと思います!

後期研修中に再度読み返したいと思える1冊だった。ではまた!