Dr.すてふの備忘録@岐阜

旅と、競馬と、時々医学。

【些末な診療】蕁麻疹

こんにちは、すてふです。

 

前から思っていましたが、蕁麻疹って謎ですよね。トツゼン

今日、来たんですよ。難治性蕁麻疹で発作収まってたけど、また起きちゃったって人。一時期PSLまで使ってたみたいで。

 

なんか分類はいっぱいあるけど、結局は原因がわからないことが多いよねー

って今まで抗ヒスタミン薬だけ処方していたのが現状です。

 

そんな日常診療に喝!を入れていきます。キラクニヤリマス

 

蕁麻疹の分類は多すぎる!

ガイドライン中心に調べてみました。いきなり分類です。

こんなにあるんすね、、タニンゴト

 

定義は、「紅斑を伴う一過性、限局性の皮膚ないし粘膜の浮腫が病的に出没する疾患」とされています。結局最後は肥満細胞からのヒスタミン!という疾患群です。

血管性浮腫という病型がありますが、皮膚ないし粘膜の深部に現れる限局性浮腫の総称であり、蕁麻疹という大きな枠組みの1病型と捉えればよいそうです。

 

分類が多すぎるので、さくっと頻度的には、①特発性、②物理性/コリン性、、、

想起しやすい、アレルギー性は実は稀なのです。1型アレルギー検査は正直ほとんど役に立たないのですね。

 

血管性浮腫のTips

先程、「血管性浮腫は蕁麻疹に含まれる」と言いました(僕が勝手に)が、例外が2つあります。ダイジデス

  1. ブラジキニン起因性血管性浮腫
  2. 遺伝性血管性浮腫

Keywordはブラジキニンです。

ヒスタミンを介するか、ブラジキニンを介するか、この視点は斬新でした。

 

ブラジキニン起因性の場合は、皮膚症状は伴わない。しかし、喉頭浮腫はEmergencyであり、即座に対応するべきである。アナフィラキシーを疑いつつ、普段のアナフィラキシーとなんか違う場合は、トランサミンを投与してみちゃってもいいかもしれないですね。まあ、改善したらどっちのおかげかわかんないですけどハハ

 

学生時代に、ACE-i内服によるブラジキニン起因性血管浮腫をICU当直実習の際に経験しました。口に風船つっこまれているようでした。経鼻挿管も厳しく、緊急気管切開の術野に入らせてもらったのも懐かしい記憶です。カッコヨカッタナ

治療の考え方

原因・悪化因子の除去・回避!とH1Blocker中心の薬物治療です。

ここで大切なのは、薬物治療しながらも原因を常に探っていく姿勢です。思いもよらぬ原因があるかもしれず、それを回避すれば済む話かもしれません。

 

わかったこととしては、蕁麻疹はアレルギー疾患としてではまく、蕁麻疹というくくりで捉えた方がしっくりくることですかね。あとは、ヒスタミン派とブラジキニン派かな。

 

ではまた!