Dr.すてふの備忘録@岐阜

旅と、競馬と、時々医学。

【些末な診療】外傷性肝損傷

こんにちは。Dr.すてふ@岐阜です。

 

またもや久しぶりの投稿になってしまいましたが、ブログの存在を忘れていたわけではありません。全く習慣化できていなかっただけです。気合で続くほど、ブログの世界は甘くはありませんし、習慣化に勝る最高のツールはありません!エラソウヤノ

 

日頃、今まではEvernoteやGoodnoteに記録してきましたが、Evernoteは使いにくい!ので、最早ここでOutputすることにします。

 

ここ新年度での変化は、初期研修が終了し、50床ほどの岐阜の地域医療拠点病院に勤務になったことでしょうか。衛星診療所も多く、常勤医師で持ち回りで診ている感じです。外来中心ですが、健診、検査(GIFがメイン)、入院、たまにERとマルチタスクではありますが、比較的穏やかに仕事してます!アイショウイイカモ

 

そんな中の外傷性肝損傷の備忘録

【症例】

・92歳男性

・高度認知症でデイサービスとたまにショート利用

・起立後の転倒で右季肋部を床で受傷

 

右季肋部の圧痛があり、腹膜刺激徴候はありませんでしたが、圧痛範囲が肋骨骨折より広いと感じたため、エコー行きました。肝臓に不整で内部不均一なMassがあり、さらにはモリソン窩とダグラス窩に腹水があり、、といった経緯です。転帰の記載は止めておきます。

 

JATEC改定第6版より)

・日本では腹部外傷の88%は鈍的外傷

・肝損傷28.8%、脾損傷16.5%、腎損傷15.5%、空回腸損傷14.5%、膵損傷6.1%

・IVR、開腹術の必要性を早期に判断

 

Uptodate)

・腹部臓器のBlunt injuryで肝損傷は最多

・腹部所見、Hbモニタリング頻回に

・Low grade(Ⅰ-Ⅲ)では死亡率はかなり稀

・High grade(Ⅳ-Ⅴ)では10-42%の死亡率

・肝損傷の8割はNon-operativeでOKだった

・Gradeによらず、画像所見とHbが24時間で変化なければ、帰宅もOK!?

・Follow upに決まったCriteriaはない

 

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【学び】

・他の臓器損傷部位ないか、Gradeはどうかを吟味する

・肝損傷単独なら意外とNon-operativeでも成功する

・IVRと手術のタイミング逃さない

 

ではまた!