Dr.すてふの備忘録@岐阜

旅と、競馬と、時々医学。

【些末な日常診療】地域研修が開始します!与論島!

こんにちは。Stayfoolish@研修医です。

 

4月の研修は産婦人科でした。非常に多忙でしたが、非常に充実した研修でした。研修医としてはローテ科のプロフェッショナリズムを学ぶよう、これまでやってきましたが、まさに産婦人科ローテではプロフェッショナリズムを垣間見ることができました!

 

一番印象に残ったのは、目の前で辺縁前置癒着胎盤の3000mlの血の海を目の当たりにしたことでした。産婦人科出血プロトコルを予習していったものの、止血することこそが最大目標であり、それは熟練した産婦人科医でしかなしえないものだと学びました。

 

僕は総合診療医として女性のプライマリケア診療をすることになりますが、お産に関しては正しくリスク評価を行い、適切な場所で診療することが大切だと身をもって痛感しました。大出血されても僕にできるのは最低限の止血と輸血くらいですから。

 

意外と女性のプライマリケアに触れる機会がなかったので、おいおい勉強していこうと思います。

 

今回は明日から開始する与論島での2か月の地域研修の抱負をまとめたく久しぶりに更新しました!

 

与論島は行政区では鹿児島県で、沖縄本島の150kmほど北に浮かぶ人口5000人弱の小さな島です。高齢化率は31.3%(2015年)で、徐々に人口減少が進行しています。思ったより高齢化はしていない印象です。

 

直行便はなく、鹿児島空港もしくは那覇空港経由で1日1便運航されています。僕は那覇経由で行きました!昼前に那覇に降り立ったのですが、気温26度で小雨でめーっちゃジメジメしてました。もうそろそろ梅雨入りのようです。

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空港はめっちゃちっちゃいのよ。長さはバス1台くらい。

 

早速、研修先の与論徳洲会病院でCOVID19PCR検査を。結果出るまでは隔離です・・

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宿舎から見える病院。奥の黄色い建物です。

 

地域医療に従事する自分にとって、非常に心躍っています。タノシミ!

 

プライマリケアの理念として、①Accessibility、②Comprehensiveness、③Coordination、④Cotinuity、⑤Accountability、の概念が提唱されています。

単語だと具体的ではないですが、2か月を通して継続性をもって、多疾患併存・複雑性のある患者さんを包括的に見る視点を身に着けたいと思います。

 

と、まあ日本語訳しただけの抱負になってしまいましたが・・・

 

また、Illness trajectoryを意識したいと思います。以前「慢性臓器障害の診かた、考え方」(佐藤健太先生)を読んで、臓器障害を分類し、それぞれをステージングして包括的に見ていくといった概念を学び、目から鱗が出るほど感動した記憶があります。どうしても高次医療機関において、医療資源に恵まれており患者さんの急性増悪期のみを重点的に診るので、なかなかIllness trajectoryを意識する機会はありませんでした。特に僕の研修病院においては総合診療科はないため、今回の機会は非常に楽しみです。

 

自助、扶助、共助、公助の視点も持ち、地域全体を診ていければと思います。キーワードは、Multimobidity、Polypharmacy、Complexityです。

 

つい最近、「人新生の資本論」を読んだのですが、与論の街並みはどこか「コモン」を思い出させるような気がします。島の歴史やインフラの実態、今後の島の行く末を考察するのも面白そうです。目指せ地域医療最先端!(西伊豆

 

地域研修終わったら、再度西伊豆に行きたいと思っている次第です。

 

地域研修の足跡を今後綴っていきます。

ではまた!