Dr.すてふの備忘録@岐阜

旅と、競馬と、時々医学。

【COVID19特集5】あんなコロナこんなコロナ

こんにちは、stayfoolish@研修医です。

 

糖尿病内分泌内科で2週目が終わりました。

ここ1週間で病棟業務を段々とできるようになってきて充実感を得てきております。とはいっても、このコロナ時世で糖尿病の教育入院は激減しており、主科として診る患者さんはほとんどいない状況なんですよね。その代わり、コンサルトは多くて周術期血糖管理や電解質異常、低血糖など幅広く診れてて毎日好奇心いっぱいで診療できております。その辺はスライドとして症例をまとめていこうと思ってます。

 

ところでstayfoolishさん、面白いニュースが飛び込んできましたよ!

www.mixonline.jp

ふむふむ、コロナ以外で病院受診した人の6%にPCR陽性ですか。これをもとに神戸大学の岩田健太郎先生が面白い統計を出しているらしいっす。

georgebest1969.typepad.jp

このデータを東京都に当てはめると、24-200万人が無症候性COVID19ということになるんだね。

4/24現在だと感染者数は3733人だから、実際は70-600倍の感染者がいるという計算になるんだ。けどけど、慶応大学って研修医が飲み会してヤバいらしいじゃんかー。それもやっぱり影響してるんちゃいますのーー。

おいおいおい!それは確かに慶応大学の研修医に落ち度はあるけれども、その言い方はないだろう。今、医療従事者はCOVID19によって日常診療が大きく脅かされてきているんだよ。次々と院内感染や施設内感染が明らかになっているのは他人事じゃないんだ。

このコロナ時代の医療の目標は医療崩壊を防ぐことだと僕は思ってる。どの程度を医療崩壊と呼ぶかは議論の分かれるところだと思うけど。うちの病院なんかは、二次医療圏の中核病院だもんだから、全ての疑似症や帰国者接触者外来、限りなく怪しいER患者などの対応に追われているんだ。

まず!コロナってどんな症状があるのか、もう一回確認しておいた方がよいですよね。

 

今回は、「あんなコロナこんなコロナ」ということでCOVID19の疾患像を改めてまとめます。

 

文献は4/24段階のuptodate, Coronavirus disease 2019 (COVID19): Epidemiology, virology, clinical features, diagnosis, and preventionです。

 

uptodateとは、医学界で権威の高い二次文献です。

 

まずは重症度の分類から。

・潜伏期間:中央値4日(2-7日)

・軽症例(無症候または軽い肺炎):81%

・重症例(呼吸困難、低酸素血症、24-48時間以内に画像で肺野の50%に病変):14%

・最重症例(呼吸不全、ショック、多臓器不全):5%

・死亡率:2.3%

 

重症化しやすいリスク因子

・心血管疾患

・糖尿病

・高血圧症

・慢性閉塞性呼吸器疾患

・悪性腫瘍

・慢性腎臓病

・肥満(BMI≧40)

 

症状(無症候除く)

・発熱 99%

・全身倦怠感 70%

・乾性咳嗽 59%

・食欲不振 40%

・筋肉痛 35%

・呼吸困難 31%

・湿性咳嗽 27%

・嗅覚障害 34%

味覚障害 19%

・下痢 13%

・悪心嘔吐 10%

・腹痛 9%

 

uptodateにはこれくらいでしたが、本当に多彩な症状を呈します。それだけに非常にやっかいなCOVID19です。COVID19の可能性が限りなくゼロでなければ、Emergency対応においてもCOVID19対応をせざるをえません。

 

以前に岡先生が言っていた「ガードを固めて、正しく恐れる」

 

日本全体で感染者数の急激な増加をなんとか食い止めているのは、保健所をはじめとした院外トリアージシステムが少しずつ出来上がってきた成果だと感じています。これからCOVID19のフェーズはどんどん変わってきますが、最悪の展開を常に想定して、フレキシブルにシステムを改善していけるように、まずは医療の力になれるようにやらねばの使命感ですね。

 

空いてる時間でまたつぶやきブログしてみますかね。

 

それでは!