Dr.すてふの備忘録@岐阜

旅と、競馬と、時々医学。

【医学目線で書評】エッセンシャル思考

こんにちは。stayfoolish@研修医です。

 

COVID19で経済形態の在り方が創成されようとされています、このご時世です。3密(密集密閉密接)を避けることは大前提として、ヒトが動く経済からモノが動く経済への転換が進まざるを得ないようになってきてますね。

 

というか、Amazonをはじめ「別にお店いかなくてもネットで全部買えるし楽じゃん」ってことでゆっくりモノ動く経済へとシフトしてたところへCOVID19が直撃。コロナ襲来により経済は大転換を急速に迫られているのです。

 

コロナ時代到来かー2020年って確実に21世紀における大転換点だと思うのは僕だけでしょうか。経済・社会・政治・医療をリアルタイムでダイナミックな変化を目の当たりに実体験できるのは、ある意味いい経験だと思ってます。ほんまに今年から医師ってのもすごい節目ですなホンマニ。

 

勉強したいこと、読みたい本がずらーーって書き溜めてあって。。。どこからやっていこうかなー。どうしようなー。

 

 

そんな僕に舞い降りた光り輝く一冊の本......キラキラキラ

 

「エッセンシャル思考-最小の時間で成果を最大にする」

 

実はサラタメさん(読書系Youtuber)が最高にオススメしていた一冊で、前々から読んでみたかったんですよね。

 

仕事始まって間もないけど、サラリーマンのメンタリティとか投資家のメンタリティを医療界に導入できることは多いんじゃないかと個人的に思ってるところなんですよ。医学生時代から思っていたけど、医療体制ってはっきり言って効率的じゃないし、権威主義的だし、、これ以上はやめときます(笑)

 

そんな悩めるビジネスマン、もとい全ての人類にビシッ、ズバッっと刺さる内容になっております。

 

特にミニマリストには共感できる点が多いんじゃないでしょうか。ボクモミニマリストメザシテマス。「より少なく、しかしより良く」がコンセプトの本です。

 

さっそく行きましょう!ヨッシャ

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著者について

戦略とリーダーシップに関するコンサルティング会社を設立したグレッグ・マキューンさんです。イギリスの法律学校を中退し、「自分が本当にやりたい本質的なものとはなんだろう?」と自問を続け、スタンフォード大学での研究員を経て、現在に至ります。

 

そんな彼の、このエッセンシャル思考を編み出した、その苦い教訓となるエピソードを紹介します。

 

妻が第一子を出産したほんの直後のことだった。「クライアントとの会議に来てくれ。」との電話だった。反射的に「はい、行きます。」と返事し、会議に行った。それはなんの生産性のない会議で、こんなクソ会議のせいで人生で最も幸せな時間になるはずだった貴重な時間を奪われてしまった.....

 

とてつもなく後悔したグレッグさんは、「自分で優先順位をつけなければ、他人のいいなりになってしまう」ということを学んだのであった。

 

そんなグレッグさんが、「より少なく、しかしより良く」を追求した思考が凝縮された一冊になっております。

作品の概要

結論から申し上げますと、エッセンシャル思考とは「より多くの仕事をこなすやり方ではなく、トレードオフを直視し、何かをとるために何かを捨てる思考法」です。そのコアとなる3つの考え方は

  1. 見極める
  2. 捨てる
  3. しくみ化

このたった3ポイントを意識するだけです。

 

自分の内面に取り入れ、第2の本能と化したとき、あなたにとって「本質的」なことを理解し、自分らしく人生を送ることができるでしょう。ト

 

おいおいおい、なんか怪しいんちゃいますの。そんなメリットだらけでいいんですか。

 

大丈夫です。本当にメリットしかないのです。スクナクトモボクニハ

 

もう少しだけ詳しくエッセンシャル思考について解説します。

社会人は様々な人間関係から様々な仕事がふられたり、行きたくない飲み会や会議に嫌々いっていることは少なくないでしょう。学生ならバイトに部活、サークル、さらにはフットワーク軽く遊びまくるときに、あんまり気乗りしないときは少なくないと思います。

 

そうなんです。日常で降りかかる全てのことに注力することなんて不可能なんです。中には超人的な体力とフッ軽で全てをこなしてしまう人もいると思いますが、、

 

少なくとも僕にはそれはできません。超人的な人でも時間は有限ですので、どこかに限界ラインが存在すると思います。ボクノラインハヒクイデスヨ

 

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より少なく=本質的なことに集中しましょう

しかしより良く=そこに自分の愛情を存分に注ぎましょう

 

てな感じに要約できます。

 

「やらなくては」ではなく、「やると決める」。

「どれも大事」ではなく、「大事なものはめったにない」。

「全部できる」ではなく、「何でもできるが、全部はやらない」。

 

エッセンシャル思考は「やらなきゃ」からの脱却法とも言えるでしょう。

 

 

それでは3つの考え方に移りましょう。ですが、その中でも最も重要だと感じた

2.捨てる

これだけ重点的に解説したいと思います。

 

医学では、In-Outという考え方(?)があります。要するに、水分だと、飲んだ量=出ていった量ということになります。Inを増やしまくると、Outできる人ならいいのですが、限界地点があります。水中毒といって体の中のナトリウムを中心とした電解質がおかしくなってしまいます。また、体がむくんでしまうことも考えられます。そういった観点からもOutする重要性がわかると思います。

 

Inを減らしOutすることは日常生活においてはNoということと同じと考えます。

日常で降りかかるあらゆる仕事やイベントにNoと言わない限り無限に水を飲み続けることと同じく、いつかは体を壊してしまいます。

 

「Noと断ること」。ここに本質があると僕は思います。

 

なんでもかんでもNoということではありません。自分の方向性、やりたいビジョンに照らし合わせてそれが自分にとって本質的なものなのかをしっかり吟味する必要があるということです。Noと即答することは全くもってエッセンシャル思考ではないのです。

 

そのために必要なことは「完全に明確化」するということです。自分がその日のうちにやることを30分刻みでスケジューリングしておこうというのです。そうすれば自分がやるべきことが明確になります。よってNoと断る理由ができるのです。

 

大切なのはNoと上手に断るテクニックだと僕は考えました。その辺は考察で少しまとめたいと思います。

 

まとめると本書では、自分のやりたい本質的なことを明確にし、いらないものはNoと断ることが重要ですよ、と語られています。


考察・批評

やらなきゃやらなきゃ、仕事わかんない、とりあえず全部覚えなきゃー

と四方八方へ駆けまわっていた新人研修医の僕にはグサリと突き刺さる思考法でした。

 

病棟業務、当直業務、造影当番(造影検査のルート取る係を1日行う)、診療科の勉強、上級医とのつきあい、同期とのつきあい、、、

 

やらなきゃいけないこと多すぎッッ!!

 

と思ってたのですが、このエッセンシャル思考で自分の考え方、心持ちがかなり楽になったと思います。

 

でもそもそも僕はもともとエッセンシャル思考寄りの人間なのかなと思いました。やりたくないことには全然興味を示さず、「なんとかなるっしょ」と。自分のやりたいことに関しては自分なりの方法で目標を定めて懸命に取り組むことは医学生時代もやっていた気がします。

 

自分に足りないのは、捨てるものを明確にすること上手にNoと断るテクニックだと感じます。

 

僕も強欲な人間ですので、やりたいことはたくさんあります。しかし、全てやることは不可能だし、しんどいです。優先順位を明確に決めておく必要があります。

 

現在の優先順位としては、どれだけ仕事に追われようと、振り返る時間を30分以上取ること、医学の勉強は趣味として行うこと、読書する時間を夕食後に取ること、そしてそれをブログに少なくとも週一回はまとめること。

 

これだけに頑張って凝縮して明確にすることができました。医学知識は2か月で2倍になるので、今覚えた知識は2か月後には完全に埋もれているとの認識を持った方がよいと思います。今行っているのは臨床でPatient-based learningなので、日常臨床において疑問に思ったことを突き詰めるということだけは最優先にして、趣味としての医学勉強を充実させたいなと思ってます。

 

上手にNoと断るのは本当に大切なテクニックだと思います。おそらくこれに関する解決法を求めて心理学の本関連を読み漁りそうな気もします。

 

本書にもNoと断り方も触れられていたものの、あまり実用的だと感じませんでした。その中でも1つだけ使えそうでした。「予定を確認してまた折り返してもよろしいでしょうか。」

 

完全に明確化できていれば、予定を確認する必要もないと思われるかもしれません。しかし、完全に明確化された論理をそのまま話して、だからNoと断ります、というのはあまりに失礼なのかとも思ったりします。

 

一旦Noと言いたい気持ちを抑えて、

「ちょっと今予定がたてこんでいまして、少しだけ確認する時間を頂いてもよろしいでしょうか。」

「今進行中の学会発表のプレゼンテーションに集中している時期でして、大変申し訳ありませんが、お時間が取れないかと思います。」

 

まだまだたどたどしいですね(笑)

 

Noというのはその場において、「いやそれはないっしょ、空気読めよ。」

となるのを恐れて言うのをためらってしまいがちです。そこは言い方次第だと僕は思います。

 

それに、Noと断るのはその場において微妙な反応をされたとしてもその場の恥だけで

Yesと言ってしまうのは長く続く深い後悔の第一歩だと思います。

 

Yesと反射的に応えてしまえば、その後も「あいつならYesといってくれる」といった印象をもたれかねないからです。

 

Noと応え続ければ、「あいつはあんまりYesといってくれないからな。」と印象付けがされると思います。これをポジティブにとらえて、自分が本質的にやりたいこと以外のノイズが消されていると考えるのもありなのかなと思います。

 

にしてもやっぱり浮いた存在になっちゃうのではないかと心配に思う部分もあり、Noという技術についてはこれから勉強しようかなと思ってます。

 

 

最後に本書から頂いたモチベーション維持の秘訣を紹介します。

「前進している」という小さな成功を積み重ねることが最大のモチベーションになるし、人生で楽しい瞬間でもある。

まとめ

「より少なく、しかしより良く」

捨てることはNoと上手く断り、自分の目的に集中すること。

 

他の2つの見極める、しくみ化することにもエッセンシャル思考を実践する上で非常に参考になることが書かれていたので、興味がある方は是非読んでみてください。

 

ではまた!